後攻2ドローとアグロネクロ考察①
今回アグロネクロの記事を書くにあたり、前提として話さなければならない事があります。
前回の記事でアップデートに伴う【収穫祭】の修正について書きましたが、もう一点≪後攻2ドロー≫については触れていませんでした。ルールに即したデッキ作りはランクマにおいて重要な意味を持ちます。
先攻有利の中での後攻ハンド強化
先攻が強いのはターン交代性のカードゲームの常です。先攻に比べて場に出すタイミングが遅れる為に後手に回ってしまうのだから当然ですね。
私がよくやっていたCOJというカードゲームにおいても初手のドロー枚数を減らす代わりに初手コストを増やしたり、イベント戦でお試しルールでやってみたり、やっぱりまだ後攻不利だから後攻+1コストから引ける枚数も元に戻したりなど、頻繁にルール変更がなされています。この件に関してはシャドウバースでも同様に紆余曲折・試行錯誤があるだろうし、ユーザー間でも様々な意見が出ると思います。楽しみですね。
さて、ルール変更によりゲームバランスに変化は起きたでしょうか。
「後攻2ドロー壊れwww」とか「先攻不利すぎ!」とかも聞きますが、私自身は良くてイーブンだと感じています。手札(ハンド)が増えて楽になったのは確かですが。
唐突ですが、ここで先攻≪ロイヤル≫の理想的な動きの一例を挙げます。
・1表【ブレーダー】
・2表【不屈の兵士】or【歴戦のランサー】
・3表【フェンサー】
・4表【ホワイトジェネラル】
このゲームで嫌われている一連の先攻ゲーですが、これ≪ミッドレンジ≫を名乗っていながら中盤までにほぼ試合が決まっていますね。ルールが多少変わってもこれメチャクチャ強いです。
先攻がフォロワーを早く立てられる強みというのが変わっておらず、変化したのは
・後攻側の選択肢の数が増えた
・後攻の事故率が緩和された
この2点です。後攻が引ける分の+1枚というのはあくまで先攻が1ターン早くカードを引いて動ける事に対するハンドのみの“補填”だと考えます。
しかしながら
「マリガン事故ったけど2ドロー目で1or2コストフォロワーを引いて助かった」
2ドローによってこの可能性が生じるのは大きいですがね。
「ロイヤルクソゲーに対抗する為に守護持ち多めにすればいいじゃないか!」という意見も出そうですが、それは構築段階での話です。
ここからが本題。
初手から圧倒できる≪ロイヤル≫のような型が未だに強いなら、後攻からでも事故率軽減を活かして動けるデッキを選ぶのがそのまま新環境への対策になるのでは。
こう考えた結果が≪アグロ≫でした。
これはA3からAA昇格まで使用した【アグロネクロ】ですが、これはただ昇格デッキどや~で済ませません。"こだわり"あります。
=基本戦略=
1~3T
pp通りに出していき対戦相手の顔に突撃させます。
(先攻時の対エルフ以外にはフォロワー除去を考えません)
アグロなので初手からガンガンってのは言うまでもありません。後攻時の利点を活かす為の1コスフォロワー7枚体制です。このゲームで1裏、2裏にしっかりとフォロワーを立てる動きは時として先攻を上回るアドバンテージを生みます。相手に除去をさせる流れを強制させましょう。
【スケルトンファイター】さんの初手起用については≪ネクロマンス≫溜めてから出すかどうかで各々見解が違います。私は基本的に1Tに1コストがこれしかなければ迷わず出します。ただし後攻で相手に1-2フォロワーを立てられた場合は出しません。
ピン刺しの【ゴブリン】さんですが、実は以前は【ガブリエル】の枠でした。後半に居残りフォロワーに≪進化≫以上の効果を与えてくれる強力な【ガブリエル】さんですが、初手でお迎えしてしまうと非常に気まずいです。【ゴブリン】に替えてから非常に穏やかに過ごせています。
【ファイター】さんは急用で来れなくなった【スパルトイサージェント】の穴を埋めてくれる秘密兵器あり彼を外すなんて論外です。敬意を払いましょう。
4T
重要な盤面です。先攻は変わらずフォロワーを並べて顔を狙いにいくのですが、後攻の場合【悪戯なネクロマンサー】の進化がチラつきませんか。
5-4になった本体で死なない程度に相手フォロワーを除去し、分散したタフネス1のフォロワーにゴーストをぶつける。確かに強いですが【アグロネクロ】を握っている以上相手に除去させる動きがベストです。
具体的には4裏であっても盤面に残った1、2コストフォロワーに進化を使って打点を稼ぐ事が最善手となります。
5T
安定の【ケルベロス】着地。
ですが注意点があります。
・手札に【ファントムハウル】がある
・【ケルベロス】より場のフォロワーに進化を使う
この2点です。
【ケルベロス】の役割はフィニッシュの火力を上げる事です。進化して相手の4-5に突撃するのは悪手です。多少不利でも3-3着地行動終了して問題ありません。
このターンにすべき事は相手の体力を11に減らす事です。
【ケルベロス】が無い場合では【悪戯なネクロマンサー】と【ソウルコンバージョン】のお家芸だったり、【レッサーマミー】で顔殴りが候補に挙がります。
6T
うまく動けていればこのターンに終わります。
ここまでの準備で
・相手ライフ11以下≪守護≫なし
・手札に【ミミ・ココ】、【ファントムハウル】
・≪ネクロマンス≫4以上
この条件が整っていれば見事勝利です。おめでとうございます。
≪疾走≫から大ダメージコンボの代表例として【リノセウス】がありますが、あちらは大量のプレイポイントと手札が必要です。
6コストでの≪疾走≫持ちには【ダークドラグーン・フォルテ】 がいますが、こちらは7点止まりです。ハンド差や手間を考えると完敗ですが、ダメージだけなら圧勝ですね。
以上が勝ち筋の一つ目です。キーカードが来なかったり、序盤からフォロワー立てられなかったり、ぶん回ってる先攻≪ロイヤル≫に轢き殺されたり、ハゲや【漆黒の法典】で≪ラストワード≫部隊を処理されたりと、いつも上手くいくわけではないにしても他のデッキよりは事故が少なく“やりやすさ”を感じています。何より爽快感があって楽しい。
実際は11点ダメージに拘らず、【カースドソルジャー】さんや【デモンストライク】等の直接ダメージも駆使して戦う事になります。
前回の記事で「アプデ以降ドラゴン増えたね~」という話をしたと思いますが、このデッキ【ミッドレンジドラゴン】にもよく刺さります。まあ≪アグロ≫が中速・鈍足に強いのは当たり前ですけどね。
A3からは7連続≪ドラゴン≫とか露骨に増えてきだして、ちょっとオイシイ思いをしてました。お前らどんだけ乙姫に恨みあるんだよってくらい【ファフニール】に焼かれましたね。
他職≪アグロ≫には無い最大の利点
“強力なAoEにおびえなくて良い”
このデッキでは場が流されて困る心配を極力取り除いています。
【灼熱の嵐】、【デモンストーム】、【黙示録】、【テミスの審判】
全体除去としてよく見るカード。≪ロイヤル≫目線だとアレルギーが出そうな並びです。
これらが使われるターンに場に残っているフォロワーたちは大方役割を終えています。除去されても≪肥やし≫が増えた分だけメリットとなります。加えて相手は高いコストを払っている為盤面が貧弱な事が多く、自動的に≪疾走≫持ちにとって最適な土壌となります。
正直ファントムもマミーも強すぎる。
デッキ相性・苦手カード
≪消滅≫と≪守護≫を多く使用されるとよわい。
必然的に≪ビショップ≫とは不利です。≪ネクロマンサー≫がそもそも苦手としている部分はどうしても覆せません。
特に3表【教会の護り手】
4裏【鉄槌の僧侶】進化
陽光置いての【大修道女】や【光輝ドラゴン】
これらがこのデッキへの模範解答となります。
≪ニュートラル≫にも天敵【ゴブリンマウントデーモン】がいます。
単体のみ3-7でそのまま立ってくれている分には【悪戯なネクロマンサー】進化でお釣りがくるのですが、きっちり進化してこられると辛いです。
“ゴブマウ3回進化でアグロ死亡” 古の伝承です。
一番厄介なのは【裁きの悪魔】です。≪復讐≫状態からのドレイン+高耐久は実質【ゴブリンマウントデーモン】2体分です。対≪ヴァンパイア≫は比較的有利に戦えるのですが、【裁きの悪魔】の対処を誤るとそれまでの“準備”と“勝ち筋”を失う事になるので要注意です。
≪ディーラー≫軸の【復讐ヴァンパイア】なんかで【裁きの悪魔】を重ねられるともう最高にムカつきますね。
たかし君と楽しく20を数えるお勉強をしている時に横から通行妨害やら勝手に数を足されたりしたらムカつきません?
ざっくり各デッキ相性まとめ
・エルフ
苦手です。冥府が~というより序盤から簡単に自陣フォロワーを除去されていく流れが一番マズイです。【エンシェントエルフ】を警戒した立ち回りが求められ、【リノセウス】はフリーパス状態なので仕留め損ねると厄介です。不利ではないが≪ビショップ≫よりたちが悪い。
・ロイジ
上記のようながっつり先攻ゲーされると返せません。それ以外なら勝ち越せます。
【悪戯なネクロマンサー】の使い方と【ロイヤルセイバー・オーレリア】の対応をしっかり考えましょう。
・ドラゴン
相手が≪ミッドレンジ≫ならばお客様、≪アグロ≫なら引き勝負です。≪疾走≫で削りきった方が勝ち。相手はフォルテ連打でいい分ハンド面で有利です。
・ビショップ
けさないで
・ヴァンパイア
おらつき短期勝負です。先におらつける分アドバンテージがあります。
アグロと気付かず【漆黒の契約】を立て不用意に致死圏内に入ってきた相手には手痛い顔面パンチをお見舞いしましょう。安全圏以上に≪回復≫を優先してくる相手だと辛いですが、ふとした自傷から勝ちの目が見える事もあるので“リーサル”をいつでも忍ばせておきましょう。
・ネクロマンサー
≪ミッドレンジ≫にも一般的な≪アグロ≫よりも安定して試合運びができる編成にしてますが、後半はスペルカードの差で捲られます。
・ウィッチ
相手のソリティアがうまくいけば負けます。
今回はこれで終わります。
長々と書いた割に結局ミミ・ココ、ハウルが強いってだけでしたね。
次は今回意図的に書かなかった他の採用カードと“不採用カード”の事を書きますが少し荒い内容なのでここで区切らせてもらいます。
終